本題に入る前に、この項で説明するデータ移行とは何か、について定義しておきましょう。データの移行とは、文字通りに解釈するとデータをどこかへ移すことです。人事給与システムの場合のデータの移し先として考えられるのは、エクセルや会計システムなど違うシステムの場合と、同じ人事給与システムの場合があり得ます。前者の場合はそもそも違うシステムですので、データの移行には往々にしてデータ変換という作業が伴います。後者の場合は、同一メーカーのシステム間での移行と違うメーカーのシステム間での移行によってかなり事情が異なってきますので、注意が必要です。また、前者の場合は、主にはルーチンの作業になる事があります。例えば仕訳の連携なら毎月1回は行うとか、人事の考課があるタイミングで年1回行う、などです。後者の場合はシステムを切り替える1回だけ行うのがほとんどですが、中には親会社子会社間での連携などを恒常的に行う例も稀にですがあります。

異なるシステム間の移行はCSVやテキストを使う

それでは人事給与システムと違うシステム間のデータ移行から見て行きましょう。この場合は、一旦、データをエクスポートして、相手のシステムのフォーマットに組み直しをしてから相手方へインポートする、というのが基本です。このフォーマットに組み直しを行うのに多用されるのがエクセルです。データは基本的には、エクセルの表が集まったデータベースという塊の形式で格納されています。もちろん、システムの中にエクセルが組み込まれているわけではありませんが、データをエクセルで加工できる形式に出力することは大抵のシステムでは可能です。その形式がCSVです。カンマで区切られたデータという意味ですが、CSVファイルをテキストエディタで開くと、確かにデータの間にカンマが挿入されているだけのシンプルのものだと分かります。CSVはエクセルで開けますから、エクセル上で加工して上書き保存し、移行先にインポートするのです。

システム入れ替え時には移行ツールを使う

人事給与システム同士でデータ移行を行う場合は、それが同一メーカーであれ、違うメーカーであれ、移行ツールを使うのが一般的です。前者のエクセルで加工するという作業では、人力が入ってしまうので、どうしても人間のミスの危険性が含まれてしまいます。その危険性を無くすためには自動的にデータを移行できる移行ツールの存在は欠かせません。同一メーカー間の移行であれば、メーカーが事前に移行を想定していますから、移行ツールも用意されているのが普通です。しかし、異なるメーカーのシステム間での移行の場合は、このようなツールは用意されていません。その場合にどうするかというと、移行を請け負ったSI業者が手作りでツールを作るのです。もちろん、移行費用の中にツール開発費も入りますから、見積もりの段階でその点には注意する必要があります。