人事給与システムは、数あるシステムの中でも比較的、改造が必要ないシステムだと思われていますが、実際には毎年のようにバージョンアップをしないといけないシステムです。その傾向は特に給与面に関して顕著です。給与には、控除項目として、税・社会保障費の項目があり、源泉徴収が会社に義務つけられています。この部分は毎年のように法改正・省令の改正があるため、これに対応するバージョンアップが必要になります。大抵は軽微な変更で済むのですが、時々は大きな改正があります。するとメーカーは現行の人事給与システムでは対応しないと宣言してしまう場合があります。そうなると、ユーザー側としては、現行のシステムを使い続けるわけにはいかなくなります。結果としてシステムを何か新しいものと買い替えする必要が生じます。このタイミングでデータ移行が発生します。

同一メーカーの新旧システム移行は比較的簡単

新しい人事給与システムを導入する場合に、どこのメーカーの製品を採用するのかは、大きな課題です。導入費用や使い勝手など様々な面を検討しての採用になります。採用にあたって何を重視するのかは各企業の事情によりますが、ここではシステムのデータ移行の技術的な面に絞って見て行きます。単純にデータ移行という観点からだけ考えると、同一メーカーの新システムを導入する方が圧倒的に楽です。通常、新旧システムを入れ替える場合、旧システムからデータを抽出しこれを新システムのフォーマットに組み替えて後、新システムへインポートするというのが基本手順です。問題はこのフォーマットに組み替える作業なのですが、同一メーカーの場合は、移行ツールというものを用意されている事がほとんどなので、移行作業はかなり簡単に行える事がほとんどです。

違うメーカーの新旧システム移行はSI力が問われる

同一メーカーの新旧システム移行は比較的にせよ簡単ですが、機能面ではそれほどの真新しさがないという点もあります。例えば旧システムで不満だった点が改善されずに残るという事もあり得ます。そういった機能面で評価されて別メーカーのシステムが導入される場合があります。この違うメーカーの新旧システム移行の場合もデータ移行は当然ながら発生します。こういうケースの場合は、移行ツールは用意されていませんから、現場で手作りすることになります。この費用もばかになりません。また、旧システムでなかった項目が新システムにある、その逆で旧システムにあった項目が新システムで無くなっている、などの問題があり、データの移行は一筋縄ではいかない問題です。ここをどうクリアするかで、以後の使用感にも影響しますから、データの移行は極めて重要な作業です。